経腟メッシュ手術安全管理等に関する委員会からのお知らせ

経腟メッシュ手術の全例登録制
 第21回日本女性骨盤底医学会が名古屋で7月20−21日に開催されました。理事会で今後の経腟メッシュ手術の方向性を議論いたしました。2014年から開始した経腟メッシュ(ポリフォーム)の合併症登録制を2019年7月22日から経腟メッシュ手術の全症例登録制といたします。日本女性骨盤底医学会のホームページのサイドメニューに「経腟メッシュ手術登録」を作成しています。2019年5月でポリフォームの使用ができなくなっておりますので、経腟メッシュ手術を行う場合は、登録をしていただき、株式会社クラウンジュン・コウノの「ORIHIME」を用いることができます。世界的な経腟メッシュ手術の中止、禁止の中で、本術式を大切にしてきた日本の方向性は守ってゆきたいと考えています。本登録制によって日本の経腟メッシュ手術の成績を正確に公表し、本術式の有効性を世界に発表すべく、会員の皆様のご協力をお願いいたします。

 

これまでの経腟メッシュ手術の経緯 

 2011年の米国FDAのアラートの結果、当時日本で施行していた経腟メッシュに手術に使用していたジョンソンエンドジョンソン社のガイネメッシュが2014年4月から使えなくなり、ボストン・サイエンティフィック社のポリフォームに変更されました。その変更に伴い、2014年4月から日本産科婦人科学会、日本泌尿器科学会、日本女性骨盤底医学会、日本骨盤臓器脱手術学会の4学会の承認を得て、経腟メッシュ手術の施行にあたって手術合併症の報告を行うことなって現在に至っています。 2019年4月16日、再び米国FDAからボストン・サイエンティフィック社、コロプラスト社の経腟メッシュ製品の使用中止の通達がなされました。日本ではキット商品の使用はありませんが、ボストン・サイエンティフィック社のメッシュであるポリフォームの供給が5月で停止されることとなりました。(https://www.fda.gov/medical-devices/implants-and-prosthetics/urogynecologic-surgical-mesh-implants) この事態を受け、日本女性骨盤底医学会では会員に対して現在の経腟メッシュ手術に対するアンケートを急遽行いました。その結果、

@日本ではTVM手術に代表される経腟メッシュ手術での大きなトラブルは認められない。

A経腟メッシュ手術は術式として高度の骨盤臓器脱に有用である。

B引き続き経腟メッシュ手術は術式の1つとして持続させたい。

C経腟メッシュの有害事象も十分認識している。

上記の結果を確認しました。当学会の古山将康(理事長)と高橋悟(副理事長)は厚生労働省およびPMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)との話し合いを行いました。現在使用できる経腟メッシュ素材はクラウンジュンコウノ製作所の「ORIHIME」ですので、登録制によって経腟メッシュ手術の本邦での現状と、新しいメッシュの安全性、耐久性の正確なデータを把握することが現時点で最重要と考えております。 

 経腟メッシュ手術の施行要件は2014年の「経腟メッシュ手術安全管理等に関する委員会からのお知らせ」は変更しておりません。経腟メッシュ手術に関して日本産科婦人科学会、日本泌尿器科学会、日本女性骨盤底医学会、日本骨盤臓器脱手術学会の4学会の承認のもと「骨盤臓器脱に対する経腟メッシュ手術施行に関する指針」を以下のように定めています。  

経腟メッシュ手術は、次の要件を満たす医師が施行するものとする。 
1. 日本泌尿器科学会専門医、または日本産科婦人科学会産婦人科専門医の資格を有すること 

2. 日本女性骨盤底医学会が開催する経腟メッシュ手術に関する講習会を受講すること 

3. 施行症例は登録制とし、合併症が発生した場合は、日本女性骨盤底医学会に設置する「経腟メッシュ手術安全管理等に関する委員会」に報告すること

合併症の報告に際しては、日本女性骨盤底医学会のホームページから入力してください。日本女性骨盤底医学会の会員の方は、ホームページから直接入力が可能ですが、非会員の方は日本女性骨盤底医学会事務局から報告に当たっての返信のメールが送られます。本年4月以降に施行された経腟メッシュ手術に関して、周術期、術後の合併症を認めた方は速やかに報告してください。皆様のご協力をよろしくお願いいたします。

▲このページのトップに戻る